【藤森照信氏設計】一棟貸し宿「小泊Fuji」

引用先:日本初!世界的建築家・藤森照信氏設計の一棟貸し宿「小泊Fuji」長野県富士見町に8月20日オープン!

小泊Fuji

場所:長野県諏訪郡富士見町(非公開)

HP:https://kodomari-fuji.jp/food.html

料金:一棟基本料金 66,000円〜宿泊者1名 8,800円 (季節変動あり)

小学生未満…無料 小学生…3,300円 中学生…5,500円

(例)2名でご宿泊の場合:基本料金66,000円+17,600円=合計83,600円(1人あたり41,800円)
(例)5名でご宿泊の場合:基本料金66,000円+44,000円=合計110,000円(1人あたり22,000円)

※HP参照

概要

藤森照信氏が手がける日本初の宿泊施設、「小泊Fuji」が2023年8月20日に開業しました。予約は7月23日から公式ホームページで受け付けています。この宿泊施設は長野県諏訪郡富士見町に位置し、1日に1組限定(最大5名まで)で、完全なプライベート空間を提供しています。

施設は周囲を田んぼに囲まれ、南アルプス、富士山、八ヶ岳を望む4000平米の敷地の高台に建てられています。藤森氏の建築テーマである「自然との調和」が最大の特徴で、銅板の屋根の上に桜の木を植え、外壁を焼杉の板で覆うなど、自然と調和したデザインとなっています。

この宿泊施設の構想は株式会社のちのち代表取締役である山越典子が藤森氏の建築に魅了され、2010年に設計を依頼したことから始まりました。そして、構想が13年の歳月を経て2023年に開業する運びとなりました。

コンセプト

「いのちの中で呼吸する」

小泊Fujiは、長野県と山梨県の境に近い小さな集落に位置し、身近な自然とダイナミックな環境が調和する場所です。この施設は、南アルプスを一望し、八ヶ岳や富士山も眺めることができる素晴らしい景観が特徴です。

主なコンセプトは、「人と自然が織りなす里山の風景に、ゆっくりと心を満たす滞在」を提供することです。施設内では、藤森建築の世界観を堪能できるため、設計から家具のデザインまで藤森氏のアーティスティックなデザインが随所に取り入れられています。

スタッフはチェックイン後には常駐せず、一組のみの宿泊となるため、完全なプライベート空間を楽しむことができます。宿泊者専用のパントリーストアは、地元の食品やお酒を購入することができる場所であり、滞在中の食事や時間の過ごし方をサポートし、快適な滞在をサポートします。また、滞在中に得られる小さなきっかけや心のお土産を持ち帰るような体験も提供されています。

このコンセプトを通じて、小泊Fujiは訪れる人々に、自然との共鳴やゆとりある時間を提供し、心地よい滞在を迎える場所として存在しています。

変化し続ける宿

藤森氏の建築の特徴である漆喰の天井に炭を貼る意匠が、小泊Fujiでも活かされています。この特徴的なアイデアを宿泊記念として取り入れており、お客様には寝室の天井に小さな炭のピースを貼り付けていただくことが提案されています。その後、約1年間をかけて炭のピースが成長し、独自の模様や表情を持つ天井が仕上がるというプロセスを体験することができます。

今後の計画としては、建物が周囲の環境により一層溶け込むような取り組みが行われます。敷地内の田んぼを復活させ、植樹を行うことで、自然と建物が調和した景観を築き上げていく予定です。天井の炭張り体験は2024年8月まで予定されており、希望者に限りお一人様1ピースずつが取り組むことができます。

このような取り組みによって、小泊Fujiは建物だけでなく、自然や宿泊者との関わりを通じて変化し続ける宿としての魅力を高めています。宿泊者は自身の手で天井を作り上げる体験を通じて、宿の一部としての関わりを感じることができるでしょう。同時に、周囲の環境に対する意識も高まり、自然との共生を感じる機会となることでしょう。

クラウドファンディングの活用

小泊Fujiのオーナーは、2022年11月にクラウドファンディングを活用しました。このクラウドファンディングは、銅板屋根の施工費用を賄うためのもので、目標額は510万円でした。しかし、その倍以上にあたる1,000万円以上の支援が集まり、合計で402名の支援者から支援を受けることができました。

銅板屋根や外壁の焼杉の材料は、クラウドファンディングのリターンとしてワークショップが行われました。このワークショップには合計で150人の協力者が参加し、手曲げの銅板や焼杉の外壁を共に作り上げました。この取り組みによって、建築に関わる体験を通じて多くの人々が参加し、小泊Fujiの創造に貢献したことが示されています。

藤森氏の言葉である「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」というメッセージは、建築プロジェクトが単なる建物だけでなく、多くの人々が共に関わり、創造する過程を通じて価値が生まれることを示しています。クラウドファンディングを通じて支援を得ることや、ワークショップを通じて協力者との連携を図ることは、建築プロジェクトの魅力を広く共有し、参加者にとっても意義深い体験となることを示唆しています。

藤森照信

藤森照信(ふじもりてるのぶ)氏は、日本の建築家であり、国際的に高く評価されるデザイナーです。彼は1950年に生まれ、東京大学工学部建築学科を卒業後、ハーバード大学大学院デザイン学科にて修士号を取得しました。その後、アメリカでの経験を経て、日本国内外で活動を展開しています。

藤森氏の建築には、自然との調和、環境への配慮、そして独自のアート性が特徴です。彼の作品は、建物が周囲の景観や自然環境と調和し、人々に快適な空間を提供することを重視しています。また、建物内外のデザインや構造においても、斬新なアイデアや独自のアート的な要素を取り入れることで知られています。

藤森氏の代表作には、日本国内外で展開されたさまざまな建築プロジェクトが含まれており、その中でも「小泊Fuji」のように環境に配慮したデザインや自然との調和を追求した作品が多く見られます。彼のアーキテクチャは、建物そのものだけでなく、周囲の環境や人々との関わりを大切にし、建築を通じて新たな価値を創造することを目指しています。

藤森氏はまた、教育者としても活動しており、多くの学生や若手建築家に影響を与えてきました。彼の哲学やデザインアプローチは、建築界だけでなく、デザインや都市計画の分野でも大きな影響を持っています。

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