モダニズム建築「聖地」松江 全国では解体進む

引用先:https://news.yahoo.co.jp/articles/d4f4d13f240f3d88877c993d04ed29b1fafe4005

概要

近年、建築愛好家や専門家の間で注目を浴びているのが、日本の島根県にあるモダニズム建築です。その中でも特に、島根県庁周辺に集まる建築群は、「奇跡的」とまで称賛されるほどの価値を持っています。

この記事では、そのモダニズム建築群の背景や文化的価値、保存の課題などについて探ってみましょう。

モダニズム建築とは

モダニズム建築は、美しさと実用性を結びつけることを重視した建築スタイルです。

装飾を極力省き、シンプルなデザインや直線的なフォルムが特徴です。

機能性を追求しながらも、独自の美しさを備えています。

島根県庁周辺の建築群

島根県庁周辺には、建築家安田臣氏菊竹清訓氏によって設計されたモダニズム建築が集中しています。この建築群には、

島根県庁

建築家:安田臣氏 設計年:1957年、竣工:1958年 島根県の中心的存在である県庁舎。モダニズム建築の特徴を色濃く受け継ぎつつ、機能的でシンプルなデザインが際立つ。国の有形文化財建造物に指定されており、その歴史的価値は高い。

島根県立図書館

建築家:菊竹清訓氏 設計年:1964年、竣工:1965年 ユニークな形状が特徴の図書館。モダニズム建築の原則を取り入れつつも、屋根のカーブなど斬新なデザインが魅力。その機能的な空間は、今でも多くの人々に利用されている。

旧島根県立博物館(県庁第3分庁舎)

建築家:安田臣氏 設計年:1963年、竣工:1964年 島根の歴史や文化を紹介する博物館。県庁周辺の建築群と調和しつつも、個性的な外観が目を引く。県の有形文化財建造物として、その価値を保護・保存している。

島根県立美術館(旧田部美術館)

建築家:菊竹清訓氏 設計年:1966年、竣工:1967年 美術作品を展示するための美術館。その外観は幾何学的なフォルムと直線的なデザインが特徴で、展示スペースとしての機能性も考慮されている。

島根県立武道館

建築家:菊竹清訓氏 設計年:1967年、竣工:1968年 武道の練習や大会が行われる施設。円形の屋根が特徴的で、そのデザインは建物の機能を象徴している。県庁周辺の景観に溶け込むような造形が見どころ。

島根県民会館

建築家:菊竹清訓氏 設計年:1969年、竣工:1970年 コンサートやイベントなどが行われる公共施設。円錐形の外観が特徴で、建物内部には多目的なホールやステージが設けられている。モダニズム建築の特質と機能性が融合している。

島根県立美術館

建築家:菊竹清訓氏 設計年:1971年、竣工:1972年 美術作品の展示や文化活動を行う美術館。ユニークなフォルムが特徴で、そのデザインは建物自体が芸術作品のよう。美術館としての役割を演じると同時に、街のランドマークとなっている。

これらの建物は、モダニズム建築の特徴と機能性を取り入れつつ、島根県庁周辺の景観を彩っています。その歴史的な価値やデザインの魅力は、今も多くの人々に感銘を与えています。

そのうち5つが国の「有形文化財建造物」として認定されています。

整備計画の背景と歴史

「島根県庁周辺整備計画」は、1958年から1970年にかけて実施されました。この計画は、戦後の高度成長期に合わせて、島根県の発展を支える建築プロジェクトとして進められました。この計画によって、県庁舎や県立博物館などの建築物が整備されました。

文化的価値と保存の課題

島根県庁周辺のモダニズム建築群は、その独自のデザインや歴史的な価値から、多くの人々に愛されています。しかし、築60年以上が経過し、老朽化が進行しているため、保存の課題が浮上しています。特に公共施設は自治体の財政事情との兼ね合いもあり、解体の検討が進んでいるケースもあります。

PR活動とスタンプラリー

島根県は、これらの貴重なモダニズム建築の魅力や歴史を広く知ってもらうために、PR活動に力を入れています。スタンプラリーや他のプロモーション活動を通じて、人々に建築群の魅力やその背後にあるストーリーを伝えています。

まとめ

島根県庁周辺のモダニズム建築群は、その独自のデザインと歴史的な価値から、「建築の聖地」として多くの人々に称賛されています。しかし、保存の課題もある中で、県はその魅力を広く発信し、後世にその価値を伝えていくための努力をしています。この建築群は、モダニズム建築の重要な一部として、未来へのメッセージを運んでいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました